カテゴリー能楽の歴史
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お殿様が建てた能舞台@明石
5月1日(日)は三田を少し離れて、明石市の魚住住吉神社へ「住吉神社能楽会」を見に行ってきました。
ここの神社には、明石藩の初代藩主・小笠原忠政(後に忠真に改名)が寛政4年(1627)に建てた能舞台が残っています。兵庫県域には多くの神社に能舞台が残っていますが、その中でも抜群に古く、また藩主が建てたことが分かっていることで貴重な遺構です。
約400年前に建てられた舞台が、現在にも使われ続けているというのが、ここのポイントでして、前々からこの舞台が使われている様子が見てみたかったのです。
前半の第一部は能の謡や仕舞。後の方になると囃子、つまり楽器の演奏も入ってにぎやかになってきて、後半の第二部は狂言でした。出演は、能や狂言のアマチュアの愛好家さんたち。天気も良かったですし、ロケーションも最高ですし、こんな舞台に立つのは、さぞかし気持ちよいだろうなぁ…とちょっとうらやましく感じておりました。
舞台のすぐ後ろには、立派な楼門もあります。こちらは慶安元年(1648)の建立だとか。明石で重要な神社だったのでしょうね。楼門を越えると、鳥居があって、その先は海! 山がちの三田育ちだからでしょうか、海は見るだけでもテンションが上がってしまいます。
5月のこの時期には藤の花が咲いて、とてもきれいです。こちらも見逃せませんよ。
さて、小笠原忠政は明石城と明石の城下町を作った、いわば明石の町の祖です。明石の町割りには、当時、小笠原家の客分だった宮本武蔵も参加して指揮をしていたと伝えられています。
明石は三田よりも大きな藩ですし、能や狂言に関する記録もより豊富なので、いつか明石版「お殿さまが見た狂言」「お殿さまが見た能」もやってみたいなぁ…なんて思いもありますが、とりあえず今は三田の催しに集中です。