「能楽と郷土を知る会」とは
はじめまして。「能楽と郷土を知る会」と申します。
能楽(能と狂言の総称)は中世・室町時代に大成した日本の芸能であり、またそれ以降の時代の、様々な文化の母体となりました。特に江戸時代には武家の儀式の際の芸能「式楽」とされ、幕府を始め、諸大名でも盛んに愛好・上演されました。
能楽は、その普遍性に注目されがちではありますが、決して全国一律のものではなく、地域の特性を受けて、各地域に根付いてきた歴史があります。
「能楽と郷土を知る会」は、それぞれの地域に伝わる能楽の記録や記憶を掘り起こし、地域の歴史と一体として広めることを目的として、平成28年3月20日、兵庫県三田市を拠点に活動を開始しました。
地域の古記録に基づいた能や狂言を上演したり学ぶことで、地域の歴史を、楽しんで体感することの実現を目指しています。
活動の大きな柱としては、まず地域での能楽イベントの企画・開催があります。
最初に催した大きな会が平成28年7月3日(日)に三田市史総合文化センター(郷の音ホール)にて第1回「お殿さまが見た狂言」公演です。そこでは、多くの子どもたちから「楽しかった」とのアンケート回答も得られ、年齢を問わず楽しく見ていただけたとの手応えを感じております。
その後、平成29年には連続講座「さんだゆかりの能・狂言を知る」を開催、平成30年には「さんだ狂言子ども教室」を開催しました。今後も、子ども向けの能・狂言普及活動を中心に活動を継続していく予定でおります。
特に「能楽と郷土を知る会」の所在地である三田市は、昭和62年から平成8年にかけて日本一の人口増加率を記録し、現在の人口はそれ以前に比べ、約3倍もの数となっています。つまり、現在の三田市民の大半は、元々三田に縁のない「新しい三田市民」です。だからこそ、元からの三田市民と、新しい三田市民が“地域の歴史“という郷土文化の「柱」を共有することが重要だと考えています。
地域文化の共有を通じ、新たな三田市民像を作っていく。この活動はその一歩となることで、三田の文化の新たな創造的発展に大きく寄与できると自負しております。
もう一つの大きな柱としては、このウェブサイトを使っての能楽と地域との関わりについての情報発信です。活動拠点が兵庫県三田市にありますことから、三田市が中心とはなりますが、三田市だけにはこだわらず、「能楽と地域」をテーマにさまざまな地域について扱っていく予定です。
今後とも何卒よろしくお願い申し上げます。