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【報告】さんだゆかりの能・狂言を知る 狂言のお話

【報告】さんだゆかりの能・狂言を知る 狂言のお話

本年(2017年)に弊会「能楽と郷土を知る会」で主催しております連続講座「さんだゆかりの能・狂言を知る」。その第2回目「狂言のお話」が7月22日(土)に無事終了しましたので、報告させていただきます。

概要

【開催日】平成29年(2017年)7月22日(土)13時30分開場 14時00分開始 16時00分終了
【会場】三田屋本店―やすらぎの郷―2階ティーラウンジ「羽衣」
【講師】善竹忠亮牟田素之小林維毅(能楽師狂言方大蔵流)
【主催】能楽と郷土を知る会
【協力】株式会社三田屋本店
【後援】三田市・三田市教育委員会・ハニーFM・サンテレビジョン・神戸新聞社
【受講料】2,000円(ケーキセット込み)

内容

【報告】さんだゆかりの能・狂言を知る 狂言のお話

最初に「能楽と郷土を知る会」朝原が、三田の歴史上における能・狂言との関わりを簡単に述べた後は、講師の方々の紹介をして交代しました。

司会・進行のご担当は牟田素之さん。今回の講師は、神戸市を本拠に活動されている善竹忠重先生(忠亮さんの御父上)主宰の「志芸の会」の同人の方々ですが、その中でも牟田さんは、その爽やかな弁舌で、司会・進行・解説などを多く担当されています。今回もその名進行っぷりを発揮してくださいました。

【報告】さんだゆかりの能・狂言を知る 狂言のお話

狂言を見る際の最低限の解説をされて、早速、狂言を1つ実演。

演目は《盆山》。配役は盗人役が小林さん、盆山の持主が忠亮さん。演目の詳細はここには書きませんが、この狂言、前半は実際には登場しない垣や扉をパントマイム風に表現していきます。

垣を切るための鋸(のこぎり)も扇で代用。狂言の「見立て」の実例が違和感なく表現されます。後半、盆山の持主が盗人を脅すのに、本来は太刀を使用するのですが、これも今回は略式とのことで、扇で代用されていました。扇は舞台上では万能です。

《盆山》後半は、物まねでは様々な動物を鳴き真似で表現していきます。狂言の表現と見立ての説明にぴったりな演目でした。

【報告】さんだゆかりの能・狂言を知る 狂言のお話

狂言が終わると、先ほど見終わった《盆山》に再度説明を加えて、その部分だけを再度演じていくという、いわば「《盆山》大分解」。

例えば狂言では人物が登場するなり自己紹介をするのですが、この名乗り。「これはこのあたりに住まいするものでござる」という、場所や時代にとらわれない表現であることを説明した上で、役柄に応じて、どのように名乗り分けるのかなども、実演を交えながら比較して見られるものとなりました。

続けて舞台を三角形に移動する中で、セリフとあわせて舞台上での場所を変えてしまう道行のほか、狂言《柿山伏》より登場人物が別々に演技して進行する様の実演まで行われました。

【報告】さんだゆかりの能・狂言を知る 狂言のお話

擬音語・擬態語のクイズへ至ると、参加者全員が参加する形となり、講師の方々もノリに乗って、よりサービスして説明くださっていることが伝わってきました。「コキャー、コキャー、コキャー!」と《鶏聟》に登場する闘鶏の鶏の真似まで披露。

後半にはもう1曲狂言《口真似》の実演。今度は牟田さんも加わって、太郎冠者が忠亮さん、主が牟田さん、客が小林さんの配役で演じます。

【報告】さんだゆかりの能・狂言を知る 狂言のお話

最後は狂言の「大笑い」を参加者全員でやる「笑い留め」でした。「ハーァ、ハ、ハ、ハ、ハ、ハ」

受講者数

30名。

アンケート

当日の来場者を対象に当日資料と共にアンケートを配布しました。26名分回収。回収率87%。

性別

男性 7人(26.9%)
女性 17人(65.4%)
未回答 2人(7.7%)

今回は女性が男性の倍ほどいらっしゃいました。

年齢

30代 1人(3.8%)
40代 1人(3.8%)
50代 3人(11.5%)
60代 11人(42.3%)
70代 7人(26.9%)
80代以上 2人(7.7%)
未回答 1人(3.8%)

前回に増して、受講者は60代を中心とする中高年の方々でした。同世代へのアピール方法を考えて行かねばなりません。

どこで知ったか

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ポスター 1人(3.8%)
チラシ 12人(46.2%)
新聞 3人(11.5%)
インターネット 1人(3.8%)
その他 6人(23.1%)
未回答 3人(11.5%)

「その他」「未回答」と詳細が分からないのが30%近くあるのですが、全体としてはチラシの強さを感じます。

アンケートに記された感想

  • 実演もまじえてだったので大変楽しく拝見しました。(女性、年齢未回答)
  • かけ合いがおもしろかった。昔から興味がありましたので、楽しく拝見致しました。(女性、70代)
  • 素晴らしい企画でした。機会があれば又参加したいし、舞台も見に行きたいと思います。(男性、70代)
  • 実演がとても面白く興味深く見れました。これからも少しずつ見られたら良いなと思いました。(男性、60代)
  • 狂言を間近で初めて拝見できて勉強になりました。質問などの答えなどマイクを使って頂けた方が聞きとり易かったのではないかと思いますので、今後は検討お願いします。(女性、50代)
  • 狂言は初めて。実例と解説があり、とてもわかりやすかった。3人組でよかったと思う。(男性、60代)
  • わかりやすかった。(女性、60代)
  • 初めて生で拝見しました(TV以外で)。声が心地良く響き、解説でおっしゃったいた様に分からない単語も所作などで何となく脳で埋めて想像の世界を楽しく過ごすことが出来ました。「口真似」のラストは思わず「オチは?」と思ってしまいました。(知らないとは失礼なことで…)(女性、60代)

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  • 残念ながら1回目不参加となりました。三田と芸能(民話含む)の結びつきに興味があります。ぜひ今後も話をお聞かせいただきたく機会を作ってください。(男性、70代)
  • 楽しく拝見させて頂きました。(男性、50代)
  • 実際に狂言を演じて下さって解説していただいたので、とてもわかりやすかったです。2学期に郷土学習をする予定で、大川瀬の神社にある能舞台の歴史についても学びたくて足を運びました。たくさんの学びがありました。ありがとうございました。(女性、40代)
  • とても楽しく過ごしました。なかなかこのような機会はないので、今回お友達にさそわれて来ましたが、十分に楽しめました。(女性、60代)
  • とても楽しかったです。良い企画をしていただきました。(女性、60代)
  • 楽しい会でした。(男性、60代)
  • 熱演大変興味深く楽しくみさせていただきました。狂言のプッとふき出す笑いが大好きですし、生活の中にある人間性が演じられているのがよろしく感じます。(女性、70代)
  • 中学生の時から狂言が大好きでした。お笑いも好きで角座へも通いましたが、今のお笑いは余り好きではありません。狂言の方が何時も面白いです。(女性、70代)
  • 初めての経験で、新鮮で。(女性、60代)

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  • 解りやすく楽しかった。親しみやすい。(女性、80代)
  • 良く分かって楽しかった。(性別未回答、80代)
  • 楽しく解りやすく細かくお話していただき、時間があっという間でした。狂言の面白さを実感しました。(女性、70代)
  • 狂言が分かり易く、面白く、今回の会に参加できました。(男性、70代)
  • わかりやすくて楽しかったです。音(鳴き声)・笑い方→面白かった!! 声がすごかった!!(女性、50代)
  • なんとなく能・狂言の入口が見えて来た感じです。まだ直前に立てていないと思います。(男性、60代)
  • 演目がわかり易く、とっつき易かった。他に街の話も見てみたし。(性別未回答、30代)
  • 和の歴史、室町時代、能・狂言の違い、語り継ぎなど観方を学んだように実演を目の前で見せて頂けたこと、今度は衣装なども見たい。判りやすく解説もして頂きポイント・配慮・ルールなど細やかなことを… 三田の民話を狂言語りに、Goodと思います。是非作成してください。(女性、60代)
  • 大変楽しかったです。狂言のルールなどもっと知ることができれば、もっと楽しくなると思います。(女性、60代)
この記事を書いた人

朝原広基

「能楽と郷土を知る会」代表。ネットを中心に「柏木ゆげひ」名義も使用。兵庫県三田市出身・在住。大学の部活動で能&狂言に出会ってから虜となる。能楽からの視点で、歴史の掘り起こしをライフワークにすべく活動中。詳細は[プロフィール]をご覧ください。

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